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二日酔いに対するロキソプロフェンの効果 について

2020年07月02日


写真は、先日訪れた北アルプス大橋から見上げた笠ヶ岳です。あこがれの場所を訪れることができて、感無量です。 ちなみに、本文とは一切関係ありません。

全然、肺癌とか呼吸器とかと関係ない話題なんですけど、今後、みなさんは飲みに行く機会が絶対に増えてしまうと思うので、この話題です。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0741832919300825

ロキソプロフェンという、比較的容易に入手可能な鎮痛薬を二日酔いの状態で飲んだら、二日酔いを克服できるか?という、大規模なRandomized Clinical Trialです。
参加者は募集に応募し登録した全国の医師150人だったようで、お酒の席に、配られた薬(ロキソプロフェンか偽薬(プラシボ))を持って行って、二日酔いになったら、その時に薬を飲んでもらって、その結果をアンケートで回答してもらう、という試験でした。偽薬を飲んだ先生たちの中にも、効いた!って思った人が、いたみたい(プラシボ効果ですね)ですから、薬剤の形態的にも、いつも出してるあの薬のまんまだったみたいです。
試験の結論ですが、二日酔い後の頭痛には効果があったが、全身の倦怠感や、吐き気などの他の症状には効果は認められなかったとあります。
ちなみに、ロキソプロフェンの副作用歴がある人は、この試験で除外されています。比較的小規模の試験ですので、アルコール摂取後のロキソプロフェンの安全性を確認した試験とはいえませんので、一医師としては、決して推奨するものではありません。
在野の医師主導の臨床研究はこのような比較的安価な薬でしか、プランは組めません。何が言いたいかというと、非常に高価な抗癌剤などの臨床研究などは、メーカーがお金を出してくれないと、なかなかできないので、ちょっとアンフェアだよねということです(お金を出してくれたメーカーの都合のいい結果しか論文としては、なかなか出てこないということ)。ただし、この論文の臨床試験ではメーカーの第1三共は、お金を出していないことが、本文の最後に明言されています。この点で非常に信用できる著者たちだと思いました。
  
Posted by ChestSurgeon  at 18:18Comments(2)